PGS検査(着床前遺伝子スクリーニング検査)
アメリカではPGS検査は希望者に対して実施していますが、日本では実質検査を受けられないようです。ということでこの検査について少し調べてみました。
PGS検査について下記サイトで分かりやすく図入りで説明してくれていました。
~PGS検査とは~
- 胚盤胞で、胎盤を形成する細胞の一部を生検し染色体の異常の有無を調べる
- 結果は『Euploid(正常)』『Aneuploid(異常)』『Mosaic(モザイク)』の3つ
- 『Mosaic(モザイク)』とは正常と異常の混合で受精卵によってその割合は変わる
技術的な限界としては、細胞の一部を検査しているため異常であっても検出した部分が全て正常であれば、「正常の胚」として認定されてしまうこと。さらに、正常と異常が合わさったモザイク胚についても、割合などは正確には検出できないのかもしれません。
しかし絶対ではない不妊治療において、なるべく可能性を高めるということは患者にとて大切なこと。結果がどうあれ、できることは何でもやったと満足のいく治療になるように思います。
特に30代後半から40代の場合は異常胚の割合が高いため、やみくもに異常胚を移植して流産を招けば、精神的苦痛が大きいことは明らかです。
またたくさん採卵できた場合は、よりよい胚を選択できるので時間とコストを抑えることもできます。
一方、PGS検査が可能なアメリカでは保険がカバーすることもあり一般的と言えますが、PGS検査に異を唱える意見もあります。
- PGS検査は胚を傷つける可能性がある。生まれた子供の追跡調査はされておらず、生検の影響は未知数。
- 生検をする栄養外肺葉と胎児の細胞はそもそも異なるので外肺葉の細胞を検査しても意味がない。
- 生検は一部であるので、その結果が胚全体を代表しているものとは言えない。
- モザイク胚については、15-20%の確率で健康な子供を妊娠する可能性がある。病院によってはモザイクと認定せずに、「正常」「異常」のどちらかしか検出できないこともあり、多くの胚が棄却されてしまっている。患者はPGSの結果が「異常」であれば移植しないケースが多く、妊娠するチャンスを逃しているかもしれない。
- 体外受精の金額の20‐30%を占める検査費用はコストに見合わない。
記事を読むとモザイク胚の扱いが難しそうで、PGS検査の争点となっているような印象を受けました。
年齢や採卵数などによっても検査の是非が分かれてくると思います。
日本は禁止されているため、まだ議論の土俵にもあがっていない。技術的にも先進国から後退してしまうんじゃないかなと素人ながらの感想です。