アメリカで不妊治療 振り返り
2018/11/15からスタートしたアメリカでの不妊治療(IVF)、残念ながら1サイクル目で妊娠に至らず終了となりました。日本での不妊治療は未体験ですし、アメリカで経験した治療は1つの病院ですが、自分の体験からメリット、デメリット等をまとめたいと思います。
メリット
着床前スクリーニング検査(PGS検査)
私が入っている保険会社はカバーしない項目ですが、日本では希望者が簡単にできないのが現状なので、費用はともかく検査を受けるという選択肢があることはメリットだと思います。染色体異常の胚は目視で確認することはできず、移植しても流産する可能性が高いもの。なるべく早い段階で検査をして確率を上げるという考え方は合理的だと思います。
私たちの場合は希望はありませんでしたが、人によっては性別が選択できるというのも大きなメリットでしょう。
IVFコーディネーター
患者一人に対して一人のコーディネーターが担当してくれます。スケジュールを立ててくれたり、自己注射の仕方を説明してくれたり、疑問に答えてくれたりと、患者のケア体制がしっかりしていました。もちろん言語の面でも助かりました。彼女が私のスケジュールも把握してくれているので、話も早くてよかったです。
日本ではクリニックごとに所属が必須というわけではないようですが、日本不妊カウンセリング学会のHPによると、もう少し患者側の立場に立ってカウンセリングなどをしてくれるような印象を受けました。
手術は麻酔使用
多く採卵して確率を上げるという量産型の手法なので、採卵手術は全身麻酔でした。アメリカでは患者に苦痛を与えないようにする傾向があると思うのですが(胃カメラも全身麻酔みたいです) 、寝ている間に苦しまずに終わっていたのは助かりました。
痛いの大嫌い。この点では、アメリカ万歳でした。
デメリット
自己負担の金額が高い
これは、州や保険会社によって変わってくると思いますがハワイでは、同一保険では生涯1回しかカバーされません。例えば採卵1回、移植を2回したとすると、2回目の移植はカバーされません。移植だけの費用でも40万円ほどかかると言われましたので、何度も治療を受けるということはなかなかできないと思います。そもそもアメリカの医療費は高いので、保険がないと厳しいですね。
培養の結果が不透明
初期胚でも評価基準はあるようですが、私の病院では、胚盤胞になっていないから分からないと回答されました。もともと初期胚移植をするのであればグレードが分かったのかもしれないですが、その辺は不明です。。
評価基準については下記サイトを拝見しました。
患者個人に合わせたカスタマイズができない
私が通院した病院では、培養の仕方は1つでした。「採卵した卵子のうち、半分は体外受精、半分はICSI(顕微授精)」とか、レスキューと呼ばれる「体外受精で試してみて、上手くいきそうになかったらICSIに変更」とか、そういった職人技のような手のかかる方法はせず、一律ICSIでした。
採卵は36個と沢山採れたのだから、1回の採卵時に色々試すことができたらいくつかは生き延びた可能性もあったかもしれないなと思いました。結果論ですが、初期胚移植という手段も試してみたかったです。
折角沢山採卵できたのに、、(涙)と、ちょっともやもや。
アメリカで治療を受けられたことは、これからの治療に向けて、ひとつの指標になりますし良かったと思っています。
不妊と一言で言っても、人それぞれ原因も違って、今回のことで「あー、受精まではたどり着いたんだ」とか、「胚盤胞になりにくいのかも」とか、自分たちのことが少しわかった気がします。
日本で治療を受けることになったら、今はまだ気づいていない良い面悪い面も見えてくるのかもしれないですね。